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ブログ『狂武蔵』完成間近!アフレコ収録の裏側に完全密着。坂口拓7年前の自分を蘇らす為に命を吹き込むその姿とは!?
『狂武蔵』遂にアフレコ(アフターレコーディング/撮影後に行われる声だけの収録)の日を迎えた。
調布にある角川大映スタジオポスプロ棟4階・MA(Multi Audioの略)ルーム入口に掲げられた『狂武蔵』の文字。この場所はかつて『RE:BORN』のアフレコも行われた想い出詰まる場所。ここで本日、作品に更なる息吹が吹き込まれます。
開始時間の11時には監督の下村勇二、主演の坂口拓、太田P、アフレコ参加の俳優部、そしてもう一人のプロデュサー藤田真一氏も勢揃いで事前打ち合わせが行われ、早速俳優部5人全員がブースに送り込まれる。
アクション映画に於いて(『狂武蔵』をアクション映画と呼ぶのに違和感があるが……未だに何て呼んだら良いか分からない)、「声」「息遣い」は臨場感とキャラクターの死生観迄も表現する大切過ぎる要素の一つ。
しかも既にあちこちに書かれているが、588人をたった独りで斬って斬って斬り進む武蔵。その声(武蔵は一人だけど、斬られる人数半端ない!)を当てる訳です。その方法について監督とスタッフで技術論が話合われる。
「……じゃあ、録っていこう!」
ブースに入っている俳優部の表情がぴりっと引き締まる。どんな声質で、どんな声の表情が欲しいのかを下村監督が適格に指示を出しながら演出を加えていく。しかも俳優部は『狂武蔵』の映像初見(この状況俳優としては本当にドキドキするのよね~……)。映像から感じる空気と演出を頼りに、声を枯らす勢いで映像に生きた声が重なってゆく。下村監督は時に録音ブースにまで自ら入り、自分でも見本で声を出しながら演出続ける。
「この状況では声というより、締め付けられてる状況を漏れる息で表現してみて」
「やられる声ではなくて、倒してやろうっていう声で」
「始まり良かったね!でも最後声が上ずってたから、そこをもっと落としてみて」
拓さんは自分の出番までソファで寛ぎながら、時折太田Pの撮るメイキングに答えながら主にスマホゲームに興じている(ちょっと!!)。
開始から2時間後。
主演・坂口拓のアフレコが始まる。3月、新たに追撮された武蔵の声、そして7年前撮影時の現場録音では使うのが難しい箇所にも声、息遣いが足されていく。7年前の、まだ表情が若さと鋭さが際立つ坂口拓と、今の坂口拓の融合は横で観て聴いていても少し不思議なものを感じる。
録音ブースの声は、録音中も含めて基本全て隣のMAブースに響き渡る様になっていて(当然ながら)、監督の指示はその都度マイクをオンにして俳優に伝えられる訳ですが、合間合間に拓さんよく喋る(笑)!拓さんのラジオ聴いてる気分になる(笑)。時々下村監督が「ハイ!分かったから続きやるよ~(苦笑)」と切り返しの声。
そんな拓さん、本番になるとアフレコも殆ど一発で決めてゆく~。やっぱスゲーーーーーー。
アフレコ開始から約3時間。
現場終わりのまことちゃんも角川大映スタジオに顔を出してくれる。この時点でも、絶賛拓さんのアフレコ中で、「アクションボイス」(「んあっ!」とか「ぉあっ!!」とかそういうやつ)の録りが始まっていた。これが実は簡単な作業に聞こえて、実はめちゃ疲れる。俳優によっては、実際マイクの前で身体を動かしながら声を生んだりする事もある程。これも2分の長録りを一発で終わらせ、次は「ブレス」録り。みんなも全速力で走った後にはぁはぁする、あれだ。そこにもピッチやトーンの高さがあり、それによって観客が映像から読み取る状況は全然違ってくるもの。
この先に続く仕上げ作業の事も踏まえて、下村監督と藤田Pそしてスタッフで最終確認が重ねられ、無事にアフレコ作業は終了!皆様本当にお疲れ様した!
そんな折、拓さんがぽそっとこんな事を話してくれた。
坂口「母の日にさ、俺が書いたTwitter覚えてる?」
屋敷「あの引退の時にお母様に連絡したっていう、あのツイートですか?」
坂口「そうそう。実は、あれは狂武蔵撮影直後の話なんだよ」
そうだったんだ……。
そこまで……そこまで坂口拓という男を追い込んだ作品だったのか、『狂武蔵』とは。心も翼も折られる程の映画って一体。七年の歳月がかかって然るべきだったのだろうな、と今は思う。
この日を前後して録られた(効果音収録フォーリー 作業の裏側に密着!)声、音楽、そして撮影現場で同録されたもの含め「音」と名の付く全てが、音響効果技師の神の一人である柴崎憲治さんの手に渡り(超すんごい方なんだから!!!)、ここから完成に向け更なる作業が進められる。スクリーンがゴールとするなら、ようやくゴールテープが視野に入って来る段階にまで辿り着こうとしている映画『狂武蔵』。
実は、このアフレコ作業の数日後に行われる、柴崎憲治さんが『狂武蔵』の音を下村監督と共に完成させる作業に、一部私も同席させて頂ける事になり、更に超多忙な柴崎さんのお時間を頂戴してのインタビューまで快諾して下さました!!!
この次のブログでは、その作業の様子と、更に柴崎憲治さんのインタビューをどどどん!とこのWiiBERブログでお届け出来ればと思っています。
みなさん、お楽しみに!!!!!
アフレコ収録完全密着の動画は、いつの日か『たくちゃんねる』で、お楽しみにぃ!
太田P
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柴崎さんのインタビュー、楽しみです。
本当に、ご苦労様です。
監督自ら、実践的に指示してる姿は、まさに『狂武蔵』に命を吹き込んでいます。
そんな作品、はやく完成して、映画館で観れるの楽しみにしています。
知りたくても知ることのできない(だろうと思っていた)映画の裏側。
調べればすぐに情報が集まる時代ですが、こうして温もりのある言葉で伝えてくれると「知りたい!」「聞きたい!」っていう気持ちがどんどん溢れてきますね。
できることなら直接話を伺いたいくらいです(笑)
まそれは不可能なことですが…w
キングダムで拓さんを知った新参者ですが、RE:BORNがあって狂武蔵があって屋敷さんのブログに辿り着きました!
遡ってブログは拝見していたんですが自分の拙い文章が恥ずかしくて今までずっとコメントできませんでした(笑)
次の更新楽しみにしています♡
太田Pは裏方の魅力を、屋敷さんは表方の人知れぬ内面を、伝えてくれるので「狂武蔵」への愛着が見る前から沸騰しています。
今回のアフレコ収録密着は、皆が真剣に仕事をしているなか、拓さんがスマホゲームに興じているくだりが最高でしたし、スマホを真剣に握る拓さんを真剣に撮ろうとする太田Pを背後に抱える下村監督をとらえる図が秀逸でした!!
ヤヴァいなー!
自分がラジオとかテレビの番組や音楽関係の仕事してた頃の事を思い出してしまった・・・。
血が騒ぎました^^
自分が担当していた番組では、MA時に音効さんが居るのにもかかわらず常に全曲(効果音は除く)自分で選曲していたのですが、ソコまでやってるのは自分ひとりだけでした。
そのお陰で音効さんとも、編集マンともスゴク仲良くなれました。
今は現場仕事からは離れていますが、こういう話題を拝見すると現場時代独特の楽しさや苦しさを思い出します。
全て、良い思い出であり自分にとってはかけがえの無い「財産」だと思っています♪
素晴らしいブログをありがとうございました!