坂口拓・下村勇二監督の忘れられない映画とは!? またそれを選んだ理由を解説!

Q: 忘れられない映画の台詞・シーンは何ですか?またそれを選んだ理由とは?

坂口「そうだな~俺はM・ナイト・シャマラン監督『ミスター・ガラス』(19)の終盤の台詞かな。“俺はミスターガラスだ”って言うんだよね。あの台詞までは、ヒーローなのか悪なのか、どっちとも言えない微妙な描き方をされてるじゃない。『シックス・センス』とも少し似た手法で描かれてはいるんだけど、あの台詞ひとつで全てが繋がるんだよね!その瞬間に頭の中に衝撃が走って、初めてエンドロールが流れ終わっても、立ち上がれる気がしなかったんだよ、それを思い出すよね。“やられたな!!”ってね」

下村「俺も色々あるけど……、これは拓ちゃんも好きだと思うな。『バーディ』(84)だね!」

坂口「俺も好き好き!!」

下村「特にラスト。拓ちゃん覚えてる?」

坂口「覚えてる覚えてる!あの飛び立とうとするシーンね!」

下村「飛び立って……堕ちた!?って思ったら、実は……ってやつね。あれで観ていた人は騙されるっていうね!」

坂口「そうそうそう(笑)!あ、俺来月から『バーディ』の人(ニコラス・ケイジ)と一緒だよ~ 」

(※)ニコラス・ケイジと共演予定の坂口拓!続報を待っててね。

全員「そっか!!」

坂口「勿論。素晴らしい役者なんだけど、今とは味の違う、これまた良い芝居してるんだよね~!!!」

下村「当時は随分若いしね!」

坂口「泣きながらバーディと喋るシーンとかも良いよね」

下村「彼(バーディ:マシュー・モディ―ン演)が狂ってしまってね、色々思い出させようとする内に自分自身もどんどん考え込んでしまうんだよね~……」

坂口「彼もPTSDだよね」

下村「そうそう!!」

屋敷「お二人はどのタイミングでご覧になったのですか?」

下村「若い時だよ、自主映画時代かな?」

坂口「そうだね」

下村「俺は確か拓ちゃんがね……」

坂口「俺が薦めたんだった(笑)!」

下村「俺はDVDも持っていて、今でもたまに観るよ」

『バーディ(Birdy)』は私も大好きな作品だ。

1984年(日本公開は85年)に製作れたアメリカ映画。同名の原作小説を、イギリスの監督アラン・パーカーで映画化。主演のバーディを演じたのがマシュー・モディ―ン、親友のアルを演じたのが、ニコラス・ケイジだ。

高校時代の親友同士だった二人。アルはいわゆる“イケてる高校男子”一方のアルは、異常な程の“鳥”好き男子。好きが行き過ぎて「鳥になりたい」と言い出す程だった(超絶鳥オタク!!)。そんな明るい青春時代を送る彼等に押し寄せた時代の波、それがベトナム戦争への「徴兵」だった。1960年代当時は、健康な若者が次々ベトナムへ送られた時代。

彼等も例外では無く、アルは顔面に大怪我を負い帰還、そして同じく帰還していたバーディと再会したのだが、バーディは凄惨な戦争体験から精神異常を起こし、完全に心を閉ざしてしまっている。そんなバーディとアル二人を中心に描かれている。

私は18歳の頃、留学先のロンドンで舞台版『Birdy』を観たのが最初の出逢いだった。当時、全く英語の読み書きも出来ず(よくそんな状態で行けたもんだな……)映画版とほぼ同じデザインのポスターだけを見て、ウエストエンドの劇場に向かったのだが……そこに描かれていたのは、ロマンチックな話でも無く、ファンタジーでも無く、明るい若者の青春の光を簡単にも非情に踏みにじる「戦争」の事。キラキラしていた青年二人が、あっという間に傷を負い、精神を病んだ「ベトナム帰還兵」に成り果ててしまう展開に私は絶句した。

私は舞台を観てから、映画版『バーディ』を観た人間だったのだが、当時18歳という高校卒業したての年齢だったという事もあり、『バーディ』きっかけで「ベトナム戦争」を扱った映画を見漁った。映画って、知らない世界や目にした事のない場所に連れて行ってくれる、心地良いエンターテイメントでもあるし、自分にとっては既に陰になってしまっていた「大きな時代の裂け目」「歴史」を垣間見せてくれるものでもある。別に政治や歴史を語る気も、そんなたいそうな知識も何も無いけれど、知らないよりは知っておくべきだと思うのです。知った上でまた映画を見直すと、全く違って感じる映画も多い筈。感想は個人が感じるままで良いと思う、それが映画だから。

『バーディ』と同じ「ベトナム戦争」を描いた映画(特にアメリカ映画)は本当に多い。それも、色んな角度(戦地、帰還兵、家族、報道などなど)から描かれているので、ほんの少し歴史の背景を知ってから観るだけで、感じ得る事は随分違うのではないでしょうか?

今回はたまたま『バーディ』のタイトルが挙がったので、その他のベトナム戦争を扱った映画の一部を挙げてみようと思います。きっと知ってるタイトル沢山よ!ペンタゴン・ペーパーズの様に2010年代になっても尚描かれるというのは、どれ程多くの人が痛みを背負っているかの証にも感じられます。

・ランボー

・地獄の黙示録

・フルメタルジャケット

・グッドモーニング、ベトナム

・天と地

・7月4日に生まれて

・ペンタゴン・ペーパーズ

・ディア・ハンター

・フォレスト・ガンプ

・友よ、風に抱かれて

(等々!順不同)

なんか、今回凄い真面目なブログになってしまった……。

みんな拓さんや下村さん、太田Pの様子を知りたいんですよね……(汗)すみません!

じゃあ最後に、下村さんが「これ書かなくても良いけど……」って話てくれた、ある意味忘れられない……トラウマになった映画のワンシーンを話てくれました。

下村「アレハンドロ・ホドロフスキー監督の『ホーリー・マウンテン』のラストだね~……“え。。。。”って感じなんだけど、トラウマだわ」

だそうです(苦笑)。

観た事ある人は、頷く方多いんじゃなかろうか……。

拓さん、下村さんの好きな映画を知れば、もっと深くお二人の事知れると思います。

観た事が無くて興味の湧いた方は、是非彼等の好きな映画観てみて下さいね(⌒∇⌒)

“坂口拓・下村勇二監督の忘れられない映画とは!? またそれを選んだ理由を解説!” への1件のコメント

  1. サガエ より:

    『バーディ』とは!?

    3人とも、僕よりもグンと年下なのに。

    劇場公開時、僕は高校生。リアルタイムで出逢った、最初のアラン・パーカー作品。

    共通して好きな作品があるのは、嬉しい。

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