下村勇二監督を軟禁する太田P 「過酷な編集室①」坂口拓 主演 『狂武蔵』完成に向けて…

私が編集室を訪れた6月16日は、梅雨である事を忘れる程の快晴!雲ひとつない澄んだ青空で、気温も30℃を越えそうな夏日。前日は関東どころか全国的に大雨で、肌寒い一日だったのがまるで嘘の様に気持ちの良い日曜日だった。

太田P(狂武蔵のプロデューサー) から突然連絡が入り、土曜日から日曜日にかけて、不眠不休で『狂武蔵』そして『たくちゃんねる』の編集を並行して行うとの事で、その惨状(?)を取材させて貰う事になった。

編集場所である、「ARTHIT」(『狂武蔵』もう一人のプロデューサー藤田真一氏が代表を務める制作会社)の事務所ドアを勢い良くガチャ!っと開けると……

いきなり別組のアフレコ中(声録り)……私の立てた音のせいで録り直し発生。いきなりの粗相すみません(汗)。さすがこの業界、日曜日だろうと関係ないわね~ってな事を考えながら、音を立てずに入口で待ってると……

仕切られたカーテンの向こうから、季節感が完全にオカシイ人が現れた。

真冬用のアウトドアジャケットを着込み、マスクに眼鏡の下村勇二監督である……(汗)!!!! え!?もう見るからに様子変じゃん!!?? 変過ぎるよ下村さん!!外は夏だよ!!??

更にその後ろから、「ウィっす~」って、いつも通り出て来た太田Pは相変わらずムキムキTシャツ一枚(ムキムキ関係ないか)。藤田真一氏なんてTシャツ短パン(笑)!私もノースリーブワンピにサンダル。まぁ……こっちが季節感通常組だよねぇ。

太田P「勇ちゃん、めちゃくちゃ体調悪いんですよ~」 ……ハイ!言われなくても見れば分かります!!

聞けば、木曜日の夜から熱が出始め、完全に体調を崩したにも関わらず仕事に追われ……土日はCG部に引き渡し直前の『狂武蔵』大詰め編集。 そして『たくちゃんねる』編集も重なりここアーティットに缶詰。そんな無理が祟り、私が訪れた日曜日の朝が不調度マックスだったそう。一瞬の休憩を終えてデスクに戻った下村監督が私の方を向いて哀し気な笑顔で一言。

「体調崩してるのに(太田に)連れて来られた~……」

作業デスクの上に無造作に置かれたガチ風邪薬とスポーツドリンクの巨大ペットボトル。完全に病人の「枕元セット」じゃん(汗)!!

作業には〆切があるから、心を鬼にして太田Pも下村監督に「今日は来なくて良いよ」とは言えないんだろうが。

とは言え、さすがの太田Pも下村監督の悲痛な一言に苦笑いするしか出来ない様子……。

でもね、高熱と悪寒に襲われながらも下村監督の編集の手は全く止まらないのですよ。

ポン!とキーを叩いて立ち上がると、

下村「ヤッシー良いよ座って」と私に着席を促すと、出来上がったばかりの “ある作品とコラボした”「たくちゃんねる」を見せて下さった。めちゃくちゃ面白いのこれが (笑)!!! 私が感想を伝えると、いつものキラキラ笑顔で頷き(この日はマスクで瞳しか見えなかったけどね)高熱でフラつく身体で次の作業に移ってゆく。

聖人なの?この人は(苦笑)。

下村「太田~もう飲み物無い?」

下村さんのかすれ声にデスクを見ると、なみなみと入っていた2リットルのスポーツドリンクがとうに空になり、ぐしゃっと潰され転がっている(驚)。太田Pが慌てて新しい500ミリのペットボトルを持って行くと、息もつかずにそれも一気飲み!!

え、もう下村さんを帰して寝かしてあげようよぉ~(涙)太田P!!!と、心中叫びつつ。ふらっふらだろうと手を止める事も、手を抜く事も一切しない下村勇二の、その職人めいたカッコ良さに、結局見守る事しか出来なかった筆者でした……。

※実は屋敷の担当ブログの第一弾「始まりに」に続く記事は既に何本か出来上がってはいたのだが、急遽取材させて頂ける事になった編集室の素敵な(ある意味ね)様子を、先ず近々にお伝えしたく、当初の予定とは違う投稿となっております。これも言葉による“ライブ”だと思って楽しんで頂けると嬉しいです!

屋敷紘子 拝

次回の投稿は6月20日(木曜)

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