【狂武蔵 復活までの9年の歴史❺】77分ワンシーンで “宮本武蔵” を撮り続けた『撮影監督 長野康隆』が語る、撮影前日の裏話!!

『狂武蔵』を支えた男

長野泰隆(撮影監督)

カラサワイサオ(アクション監督)

紆余曲折・・・そして覚悟

それではよろしくお願いします。カラサワさんから伺いたいのですが、『狂武蔵』の原型である『剣狂-KENKICHI-』に携わった経緯について教えてください。

カラサワイサオ:(以下:カラサワ)

『剣狂-KENKICHI-』の台本段階で、園子温さんが(坂口)拓ちゃんとの共同監督っていう形で入ってたんです。だけどインする直前になってスケジュール的に無理が出てきてしまって。それで結局、撮影予定期間の半分ぐらいを使っちゃった。

長野泰隆:(以下:長野)

そう、1週間ぐらいは空きましたね。確か1週間から10日ぐらいは保留になったんです。組は維持した状態で、「インを遅らせましょう」と。

カラサワ:

残り1週間ぐらいしかなくて、「じゃあどうする?」って話をしていて。確かその時に拓ちゃんが「ワンカットでやろう」って言った気がするんですよね。もともと『剣狂-KENKICHI-』の中で、ワンカットのアクションシーンが10分ぐらいあって。長野さんにも来てもらってその練習はしていて、その10分のフォーマットは出来てたんですよ。

それを拓ちゃんが「1時間ぐらいやれるかな」って言い始めたから、スタジオで1回、外でも1回テストしてみて体力的にはいけるかもねってなった。

長野:

そう。前日に撮影場所の「ワープステーション」で拓さんとカラさんの3人で歩いて、最初から最後までざっくり決めましたね。

カラサワ:

そうそう。3人でね。

──

長野さんはどういった経緯で参加されたのでしょう。

長野:

僕の場合は拓さんから直接連絡がありましたね。「やりましょう」と。拓さんから話があったのは初めてでした。

──

それまで拓さんと面識はあったのですか?

長野:

面識はずっと前からあったんですよ、それより何年も前から。

カラサワ:

実をいうと俺がね、長野さんじゃないと無理だって言ったの。

長野:

ああ、そういうことだったんだ。

カラサワ:

拓ちゃんもそりゃあ大変だろうけど、カメラマンの方もね(笑)。カメラ担いで70分動き回るって、たぶん普通の人じゃ出来ないと思うから。

長野さんの参加が決まったのは『剣狂-KENKICHI-』がストップする以前からですか?

長野:

もちろんそうです。拓さん主演で『剣狂-KENKICHI-』を撮るということで、僕も入ったんですよ。

──

では『剣狂-KENKICHI-』がストップしてなくなってしまったために、本当にどうするかとなっていまの『狂武蔵』が生まれたんですね。

長野:

そうです。もともと『狂武蔵』が現在のストーリーとしてあったわけではなくて、話も全く違っていましたね。

──

中止を経て『狂武蔵』の脚本が完成したと。

カラサワ:

脚本というのか、とにかく宮本武蔵が戦うところだけを抜き取ったっていう。ただ時間がなかったので、なんだか「映画を撮る」っていうノリじゃなかったですよね。

長野:

違いましたね。

カラサワ:

なんかもう、「3人で記録を残そう」みたいな感覚ですよね。拓ちゃん長野さん俺の3人で。そういう映画というか、ドキュメンタリーのような形で残そうみたいな。面白いか面白くないかは外そうっていう話でしたから。

今まで映画を作るってなると、誰かに観てもらいたいとか、必ずそういうターゲットがいて作るじゃないですか。それを外してやってみようっていう。3人だけの思い出じゃないけど、記録を残すためにできるだけのことをやろうみたいになって。だからあんまり映画を作ったっていう感覚はないですね。

長野:

僕も同じでしたよ。

拓さんも「観客のことは今回度外視して」と同じことを話されていました。カラサワさんは、撮影にストップがかかったときの感情を覚えていますか? 例えば怒り、だとか。

カラサワ:

俺はね、結構最初の頃とか冷静に見てたんですよ。プロデューサーに「このままだと途中で止まるよ。どうする?」って自分でインの前にストップさせたぐらいの感じなので。

──

長野さんの気持ちとしてはいかがでしたか。

長野:

「やっと拓さんとやれる」っていう状態だったんで、すごいショックだったっていうのは正直な気持ちとしてありましたよ。でも、それよりも拓さんのその時の気持ちみたいなのは伝わってきていたので、むしろ自分のことというよりは拓さんの気持ちを考えるとそっちの方が一番辛かったですよね。

──

拓さんが「ワンカットでやりましょう」と宣言されて、長野さんも残ることを決意されたのですよね。

長野:

それはもちろん。拓さんが「やる」っていうんだったら、そりゃやるでしょうっていう二つ返事ですよ。もう絶対です。断られてもやるぐらいの状態でしたからね、僕は。

カラサワ:

それで確か長野さんに、「ワンカットで何分ぐらい過去に回しましたか」って聞いたんですよね。何分でしたっけ?

長野:

20分ちょっとでしたね。確かそれぐらいが限界だったような覚えがその当時あったんです。それ以上求められることがないという感じでした。

──

ずっと拓さんと組みたかったというのは、長野さんが拓さんの作品をご覧になった上でのお気持ちだったのでしょうか。

長野:

何年か前に、僕が撮った作品の試写に来ていただいてことがあったんです。確か『片腕マシンガール』だったような気がするんですけど、とにかくその作品の試写がきっかけで。

カラサワ:

そうそう、拓ちゃんと俺でこっそり試写会に忍び込んだんだ。

長野:

試写の打ち上げみたいな席でお会いして、その時が初対面だったのかな。それでなんとなく、「この人といつか一緒にやるんだろうな」っていうのは何となくありましたね。

カラサワ:

拓ちゃんとの帰り道、ずっと話してたんですよ。「カメラワークすごかったよね」「いつか一緒にやりたいよね」って。

──

では、カラサワさんも拓さんが「やる」と決めた時は即決だったのですか?

カラサワ:

そりゃあもちろんね、やるしかないでしょう(笑)。俺だけじゃなくみんなやるしかないっていう。

(ライター:葦見川和哉)

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