3/23.24 『狂武蔵』追撮現場の裏側とは!? 『坂口拓・下村勇二監督・太田Pに答えて頂きます!屋敷紘子の29の質問』

皆様、お元気でしょうか?

WiiBERブログ担当の屋敷紘子でございます!皆様にお知らせとお詫びがあって、今回こんな始まりになっております。お気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、今回のインタビュー篇『29の質問』ってなってたと思うのですが……数え間違いで“29”じゃありませんでした(苦笑)!!ごめんなさい、私の雑な性格のせいで……全然違いました!もうちょっとだけ、お付き合い頂けたら嬉しいです。

それにしても暑い毎日ですねー……(誤魔化し下手か笑)。

Q30: 何故太田Pの髪は青?

太田「髪を青くしてる理由はね、7年前の『狂武蔵』の撮影が終わった時に、クランクアップの花束も無く拍手も無く、ただ静かに時が流れていた、と。この偉業(77分ワンカットで闘い抜いた)に対して、お天道様だけは絶対に見届けていた筈だと。“じゃあお天道様が輝ける空の青だな”って。先日の追撮の時も、初日降水確率90%だったけど、寒すぎて雨に成らず霙(みぞれ)だったお陰で、衣裳も濡れずに撮り切れた。翌日(最終日)は抜けるような青空のもとで撮影が出来た。その時、“あ、俺髪の毛青にして良かったな”って思ったよ、ファイナルカット(※)??何だっけ??」

一同「(声を合わせて)クランクアップ!」

太田「(笑)そうそう、クランクアップの時に青空眺めてそう思ったんだよね~」

※ファイナルカットは編集ソフトの名前(笑)!

屋敷「願掛けの意も込めて、ですね」

太田「そう!『狂武蔵』が本当に完成する迄は、願掛けも兼ねて青でいこうかな、と」

「願掛け」

って、私も好きだ。本来「神・仏に願い立てをすること」っていう意味らしいが、自分自身への決意表明にもなるから。そして太田Pの願いは届いた!

『狂武蔵』追撮初日。朝から天候は最悪だった。私は急遽応援スタッフとして、制作トラックで一番乗りせねばならず、朝4時台に都内を出発。冷え込みも強く、空が白み東京郊外を走っている頃には雨が降り始めた。そこから現場近くまで、フロントガラスを濡らす雨粒をワイパーがかき消す音だけが聞こえていた車内。山を越えたら現場間近という高速を雨に降られながらひた走る。

……あれ???山を越えた途端に雨が止んだ!!!

7時過ぎ、制作車始め機材車、監督車続々と現地入り。慌ただしく支度部屋の準備が始まり、同時進行で撮影現場のセッティングも始まる。空はいつでも大雨を降らしかねない鉛色。あの日は全員が空を睨みつけていた。俳優部を乗せたロケバスが到着し、支度部屋の動きも加速。衣裳部とメイク部はフル回転で俳優を侍に作り変えていく。一時間のち、インカムからファーストカットを無事撮り始めた合図である「本番~!」の声を聞いた時、支度部屋のみんなで少し安心したのを覚えている。

夕方になり、時折「雨待ち」も発生してしまったが大きな問題にもならぬ小雨。待てば撮れた。そして本降り通り越して霙。外気温は5度にも満たない中、初日の撮影が無事に終了した……。「天気に勝った」ってみんなが思った筈だ。太田Pの空色の髪は私達にとってのてるてる坊主でもあったのかも。

撮影終了後に霙と寒さは酷さを増し、スタッフ全員霙を全身に積もらせ、寒さに震えあがりながら大量の荷物を真っ暗な山中運び出していく。急な坂道、霙のせいで足元が滑る滑る!みんなで足元をスマホで照らし合いながら積み込みを続ける。翌日の戦いの準備が既に始まってるし、疲れと寒さからか、みんな若干語気も荒い(苦笑)。撮影後で疲れてる筈の拓さんまで「俺も何か運ぶよ!」と。優しい~(涙)でも大丈夫です、早く帰って休んで下さいと丁重にお断り。

夜8時。漸く駐車場に着くと、霙というかほぼ雪!!何この雪景色!ってちょっと笑っちゃう程。別方向の暗闇からは、機材撤収を終え全身に雪を積もらせた下村監督と長野撮影監督、撮影部のスタッフの姿。さっきまで侍姿の俳優を何十人も見てたけど……こういう瞬間って、彼等も戦いを終えた侍そのもの。めっちゃくちゃ格好いい、見惚れる程に。

その翌日。『狂武蔵』追撮最終日。いや、本当の意味での『狂武蔵』最終日。7年前、坂口の心を打ち砕いた因縁の侍映画は、この日の撮影を以て完全撮了となる。前日と同時刻。現場に次々と車がやってくる。同じ様に慌ただしい準備と共に、映画創りという戦争っが始まった。ひとつだけ、前日と違った事。雲ひとつない青空と、燦燦と輝くお天道様が、侍達を見守ってくれていた事でした。

太田Pの願掛けに守られて、雨で霙でも何とか撮影出来たあの日を思うと、これからは青い髪に拝みたくなる。スクリーンを照らす光にもなって下さいよ、お天道様。

『たくちゃんねる新章』

監督をするのが坂口拓の盟友・山口雄大監督

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紹介ブログは次回8月8日(木)PM7:30!!

“3/23.24 『狂武蔵』追撮現場の裏側とは!? 『坂口拓・下村勇二監督・太田Pに答えて頂きます!屋敷紘子の29の質問』” への6件のフィードバック

  1. 永作綾乃 より:

    太田Pの髪の毛の色、凄い気になってたんです。
    初めて見た画像とか、映像とかで、ん?、業種的にラフなのは分かるんですが、青い‼️ってありなの‼️‼️と。
    そういう理由があり、それがあって追撮出来たんですね。

    てるてる坊主効果ですね。

  2. まっきー より:

    青髪にはそんな理由があったのですね!
    寒い中の初日、皆さんお疲れ様でした!空とにらめっこしながら寒さと戦いながら貴重な経験をさせてもらいました。まさか雹が降るとはね。逆にあの場所に合った色になったような気がするが…その後雪になり翌日も心配でしたが嘘のように晴れていいシーンが撮れたのではないでしょうか。

  3. 一見学者 より:

    追撮最終日に参加でき、半端ない日差しに目を細めながら見学場所に引率される中、
    面識もないのに開口一番、「髪、いい色ですね~!」と言ってのけた自身の無作法を
    今となっては全力で誉めてやりたいと思います。

  4. にゃん丸 より:

    毎日本当に暑ぃ日が続きますねぇw
    屋敷さんの数え間違ぃはブログを楽しみにしている人には嬉しぃ間違ぃ♪
    ありがとぅござぃます☆
    それにしても…
    『お天道様だけは絶対に見届けていた筈だと。その話を坂口拓から聞いた時にね、“じゃあお天道様が輝ける空の青だな”って。』
    なんと素敵な青髮エピソードですか!
    太田P格好良ぃです。
    その願掛け…無事に叶いますよぅに☆

    追撮の裏側のお話ありがとぅござぃます。
    色々な想ぃ含めての『狂武蔵』の完成を楽しみにしてます。

  5. サガエ より:

    追撮、

    雨男の僕が参加しなかったのは正解だったのだと、思うことにする。

    しかし、

    スチールを見れば見る程、口惜しい。

  6. しょうこ より:

    太田Pのこと、チャラ男だと思ってました。認識を改めます。青は海の青でもありますね。作品に携わっている人、みな頑張れ〜。

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